犬の去勢手術(雄:精巣摘出術)につきまして

右写真は、去勢手術直後の写真です。ペニスの根っこ付近(陰嚢よりも頭側)の皮膚を2cmほど切開して、両方の精巣を摘出します。写真下の方に縫った糸が見えていますが、約10日後に抜糸します。

  • 予約が必要です
  • お食事は、手術前日の20時までにお済ませください
  • お水は、手術当日午前8時まで結構です
  • 手術日当日午前9時30分~午後11時までにお越しください。お仕事等で早くお預けされたい場合はご相談ください(例:午前7時のお預け等)
  • 退院は、手術当日の午後5時以降になります。
  • 退院後、約4日間は抗生物質などの服用が必要です。
  • 抜糸(表面の糸を取ること)は、手術の約2週間後です。
  • 体に残す糸(表面の糸以外)は、すべて吸収糸を使用します。術後数か月ですべて消えてしまいますので、ミニチュア・ダックスなどに多い異物肉芽腫など縫合糸反応性炎になる可能性は極めて少ないとお考えください。また、皮膚下の糸は、溶けるまでは多少凸凹しますが、半年後に触れることはほぼありません。

 当院では、犬の去勢(雄)および避妊(雌)手術の際には同時に遺残している乳歯を抜去することをお勧めしております(去勢および避妊手術費用以外には、追加料金は原則いただいておりません。もちろん乳歯抜歯のみをご希望の場合は、諸費用が必要です)。犬歯の永久歯は、だいたい6-7ヶ月に生えてきますが、小型犬では1才近くにならないと生えてこない場合もあります。永久歯が生えているのに乳歯が残ってしまうことを乳歯遺残といいます。犬歯の乳歯が残っていると、将来必ずと言っていいほど永久歯との間に歯石が付着して問題になります。写真はトイ・プードルから抜去した乳歯(犬歯と前歯)です。乳歯は写真のように、出ている部分の倍ぐらいの根っこがあるので、一般の方が遺残した乳歯を抜くのは不可能です(無理をすると途中で折れてしまいます)。


潜在精巣

精巣が2個陰嚢にない場合、その子は潜在精巣(陰睾)という病気です。写真左が膀胱付近の腹腔内より摘出した潜在精巣で、陰嚢内にあった正常な右の精巣より小さいのが特徴です。これを放置するとセミノーマやセルトリ細胞腫などの腫瘍になりやすく、早めに摘出することが推奨されています。また、精巣1個が陰嚢にあるが、もう1個が陰嚢に無い場合、恐らく生殖能力はあるでしょうが、陰睾が遺伝する可能性が高いので繁殖に用いることは避けるべきだと考えます。

SFTS感染症にご注意!

 宇部市内と山陽小野田市内でSFTSに感染した猫が確認されています。SFTSはマダニから直接感染するだけではなく、SFTSを発症した猫から人が感染発症することがあります。猫は屋内飼育されることをお勧めします。

最終更新日

2024年5月2